「不動産会社が空室を決めてくれない」困った時の空室対策

 

Reform

築11年の物件をリフォームした事例

■リフォームは徹底的にやる!

私は、大家さんに退去後のリフォームには命を懸けるようにお勧めしているのですが、(但し気持ですよ、気持ち・・・)
今日は、そのきっかけとなった 貴重な体験をお伝えします。

それは 私が前職でアパマンのリフォーム受注を生業としてた頃、それはある大家さんとの出会いだったんですが、10ヵ月間も空室になっていた部屋がありました。

家賃も新築時70,000円だったものが50,000円まで下がっていました。(不動産屋さんの言いなりの家賃です。)

その大家さんは、自身では何もせず

「もう古いんだから(当時築11年)仕方がない。」と言っていましたが、私はまだまだ新しい物件だから、何とかなるし、何とかしなければならない と感じました。

そこで、物件をこの目で見せてもらうことになりました。

玄関のドアを開けたとき、私の目の前には信じられない光景が広がりました。

正直、唖然としてしまいました。

築11年のはずなんですが

白いクロスを張ってある壁は一面すすけたような汚れで覆われており、床のフローリングは水をこぼしたのでしょうか、色褪せてマダラになっていました。

またトイレの普通便座は割れたままで、流し台は扉表面の化粧板が剥がれていました。

「(いくら築11年と言われて)おそらくこんなアパート 内見しても、自分だったら入居しないな。」

これが私の率直な感想でした。

そして入居仲介を依頼されていた不動産屋さんに対して ある不信感を覚えました。

「何が当社にお任せ下さいだ。いい加減なこと言いやがって…こんな部屋で決まるわけがない!」

大家さんに聞けば、入居者から預かっている敷金の範囲内での 退去リフォームで、済ましてきたのだとか・・・。

そうすれば大家さんにも、退居者にも更なる負担がないし、手続き上も面倒くさくないと考えている管理会社さんは ココだけに限らず本当に多いのです。

その大家さんに 現状分析と私の所見を報告し、すぐにリフォームの許可を取りました。

そして、スグに見積りを提出、リフォームの指示を職人さんに出しました。

▼壁クロスを全部貼り替え。
▼天井クロスを全部貼り替え。
▼傷んだフローリングは上から全部クッションフロアーを張る。
▼流し台は新品に交換。(コンロ共)
▼トイレの壁クロスと床クッションフロアをやり替え。
▼割れた便座を新品に交換。(暖房便座)
▼和室の畳を全て新品に交換。(新床)
▼鍵をピッキング対応キーに交換。
▼網戸を張り替え
▼照明器具を全室に取り付け
▼カーテンレールやり替え、レースカーテン取り付け
以上の項目を実行しました。

正直、収支や予算のこともありましたが、

「自分が入居したくなる部屋にする。」という観点からリフォームのメニューを決定しました。

しかし、かかった費用はオッカナビックリです。
何と 500,000円!!

築11年、家賃50,000円のアパートに投資するには 正直度胸のいる金額です。

入居を絶対決めるのだという強い信念があればこそ、出来たのだと思います。
(断わっておきますが けっしてリフォーム工事を受注したいから、押し切った訳ではありません。)
でも これで入居者が決まらなかったら 大家さんとしては大変な損害ですし、私の信用も・・・。

とにかく入居者を見つけなければなりません。

ところが、私はさらに(仲介業者さんに言わせると)非常識な行動に出ました。

不動産屋さんに、

「家賃を50,000円から56,000円に、
駐車場を3,000円から4,000円に値上げして募集をかけていただけません?」

とお願いしたのです。

先方はビックリです。

「今まで、50,000円で決まらなかったものが、56,000円で決まるわけがないじゃないですか!
無謀ですよ。」

と言われましたが、私はそこを譲らず

「構いません。大家さんには了解を取り付けております。当社がリフォームしましたから、部屋はバッチリです。共用部分や駐車場は私共が無償で、ゴミや雑草を片付けて綺麗にします。どうかよろしくお願いします。」

と言って電話をワザと一方的に切りました。

「お客様にキメの細かいサービスをし、高品質な商品(空間)を提供すれば、高い値段でも商品は売れる!まして今まで何もしなくて50,000円貰えてた位だから、きっと大丈夫。」

仲介業者さんは、呆れていましたが、私はなぜか自信満々でした。(自分の感性を信じていました。)

さて結果はどうなったかというと、
ナント リフォーム終了後1週間で入居が決まりました!

家賃も値切られず、56,000円でOK!

今まで50,000円の家賃で10ヶ月の空室ですから、
50,000円×10ヵ月=500,000円 の損害が既に発生しています。

それが500,000円の投資により、
56,000円の家賃ですぐに入居が決まってしまいました。

結果論ですが、あの時(前の住人が退去した時)これだけのリフォームしていれば、10ヶ月も空かなかったかもしれません。今となっては悔やまれるところですが・・・

これでリフォームするしない どちらが得か損か 明白ですよね。

これも後日談ですが、今回500,000円も掛ってしまいましたが、もし新築時からマメにリフォームをしていれば、こんなに費用はかからなかったでしょう。

実際に、徹底したリフォームが空部屋全てに一巡した現在では、高額なリフォームは全くといってよいほど行わず、キレイに住んでもらった部屋などは、ハウスクリーニングだけで済むケースも出てきています。(笑)
大家さんもキャッシュフローが向上し、大満足です。ありがとうございます。

なお 必要最低限の費用で次の入居者が満足するリフォームを行うには、独自のノウハウがあります。これについては、また別の機会にお伝えしたいと思います。

本日はここまで…。

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